骨粗しょう症(骨粗鬆症)を防ぐ! カルシウムを摂取するためのレシピ
今回のコラムでは、整形外科クリニックの現場で患者様からよく聞かれる「カルシウムを毎日無理なく摂るにはどうしたらいいの?」という疑問にお答えします。当院での治療経験をもとに、実践しやすい簡単レシピと食事のコツをご紹介いたします。
整形外科医師が見る「カルシウム不足」の現状
当院の骨密度検査では、多くの患者様でカルシウム不足が原因と考えられる骨密度低下を目にします。骨粗しょう症の治療では、薬物治療が中心となりますが、食事療法も並行して行うことで、より効果的に骨強度を高めることができます。実際の治療現場では、食事での摂取量と薬での摂取量を合わせて1日1000mgのカルシウム摂取が望ましいとされています。
しかし、多くの患者様から「毎日続けるのが大変」「何を食べればいいか分からない」といったお声をいただきます。
当院に通院されている患者様患者様からよく聞くお悩み
- 牛乳が苦手で続かない
- 忙しくて毎食バランス良く作れない
- カルシウムの多い食品が分からない
- 費用をかけずに摂取したい
これらの悩みを解決するため、食事にひと手間加えるだけで簡単にカルシウムを摂取することができる、マネしやすい実践的なレシピをご紹介します。
医師推奨!無理なく続けられる簡単レシピ
朝食~5分でできるカルシウム朝ごはん~
桜えびとしらすの和風トースト(カルシウム約150mg摂取可能)
- 食パン1枚に桜えび(5g)としらす(10g)をのせる
- マヨネーズで軽く味付けしてトーストして完成
簡単カルシウム強化ヨーグルト(カルシウム約200mg摂取可能)
- プレーンヨーグルト(150g)にきな粉(大さじ1)を混ぜる
- はちみつで味を調整して完成
昼食~コンビニ食材で手軽に補給~
骨太サラダチキン丼(カルシウム約180mg摂取可能)
- ご飯にサラダチキンをのせる
- コンビニの冷凍ほうれん草(30g)をレンジで温める
- 粉チーズ(大さじ1)をトッピングして完成
小魚とナッツの簡単おにぎり(カルシウム約120mg摂取可能)
- ご飯に市販の小魚ミックス(10g)を混ぜる
- のりで包んで完成
夕食~家族みんなで食べられる骨活メニュー~
チーズinハンバーグ(カルシウム約250mg摂取可能)
- 普通のハンバーグの中にとろけるチーズを入れる
- ブロッコリー(50g)を付け合わせで用意して完成
簡単小松菜のクリームパスタ(カルシウム約220mg摂取可能)
- 冷凍小松菜(50g)と市販のクリームパスタソース
- 粉チーズをたっぷりかけて完成
整形外科医師が教える「効率的摂取」のコツ
コツ1:吸収率を考慮した食べ合わせ
カルシウムの吸収率は、一度に大量摂取するよりも、少量ずつ複数回に分けて摂取する方が効果的です。当院では患者様に「3食に分散させること」をおすすめしています。
コツ2:マグネシウムとのバランス
カルシウムだけでなく、マグネシウムも一緒に摂ることで骨の健康維持に効果的です。
- アーモンド、カシューナッツ
- 海苔、わかめ
- 玄米、オートミール
コツ3:阻害要素を避ける
以下の食品や習慣は、カルシウムの吸収を妨げるため注意が必要です。
注意すべき阻害要素
- 過度なカフェイン摂取
- アルコールの多飲
- 極端な塩分摂取
終わりに
カルシウムを無理なく摂取するためには、完璧を目指すよりも「続けやすさ」を重視することが大切です。骨粗しょう症の治療は、短期間にすぐ終わるものではなく、1~2年程度の長い期間で行っていくことで効果が出てきます。当院の患者様の中でも、小さな工夫を積み重ねることで骨密度を改善した方がたくさんいらっしゃいます。
骨粗しょう症は「静かな病気」と呼ばれ、症状が出る前に進行してしまいます。定期的な骨密度検査と併せて、日々の食生活改善に取り組むことで、健康な骨を維持していきましょう。当院では患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた、実践しやすい食事指導を行っております。食事療法について不安がある方、薬物治療との組み合わせ方が分からない方は、お気軽に安藤整形外科クリニックへご相談ください。
